岐阜県郡上市の中山間地域における災害時等の状況調査を想定したレベル3.5飛行を実施
1.概要
合同会社おくみの空域産業は、2025年4月8日(火)に岐阜県郡上市八幡町河鹿地区にて、道路の遮断リスクのある地域で災害等の発生時における状況調査を想定し、小型ドローンによる無人地帯における補助者なしの目視外飛行(通称:レベル3.5飛行)をDJI AIR 3により実施しました。
2.飛行経路

飛行経路図
飛行は岐阜県郡上市八幡町の中山間地域である河鹿地域にて実施しました。離着陸地点は、集会所や一時避難所として利用される河鹿二区集落センターとし、小駄良川に沿って上流方向へ約700m飛行し、経路周辺を撮影し、状況調査を行いました。

3.使用機体
本飛行は、DJI社がレベル3/3.5申請に必要な情報提供をする機体の中で最も小型の空撮機であるDJI AIR 3を使用して行いました。

[DJI AIR 3]
大きさ:全長約33cm
重量:約0.7kg
2024年5月よりDJI社が一部の製品について、国土交通大臣への飛行許可・承認申請において製造者等がユーザーへ提供する必要がある情報(詳細は下記1.及び2.を参照)を、申請を予定するユーザーの個別の要望に応じて提供するようになり、当機体もその対象となっておりました。
多機能な産業用機種に対して、空撮機は各種センサ類や自動操縦機能等は制限がある一方、小型で扱いやすいことや比較的多くの自治体様で導入されていることから、今回試験を実施したような広い範囲に渡って無人地帯が広がる地域におけるドローンの活用の幅を広げることにつながると考えております。
(参考)
https://www.dji.com/jp/media-center/announcements/a-notice-for-using-dji-drones
4.各種手続き
本飛行の実施にあたり、レベル3.5飛行の事前調整、承認書の申請取得、緊急を要する航空機の運航者、有人機団体、飛行通知の発行およびその他必要な調整等を行いました。
5.今後について
現在、物資輸送等を中心に災害時の無人航空機(ドローン)の利活用が進んでおります。一方で近年の災害の頻発化や大規模化を考えると、対策すべきことは多数あり、無人航空機分野においてもさらなる活用が求められます。
今回試験を実施した道路遮断や孤立リスクのある地域は全国で無数にあることから、同じような場所での災害に役立てるよう、引き続き飛行方法、データ取得の方法や安全な運航体制等の調査を行っていきたいと考えております。